2013年4月4日木曜日

小さな恋の歌 ~2013 転校~

当ブログにはちょっと似合わないかもしれませんが、素敵な「小さな恋」のお話をします。

モンパチでもガッキーでもなくてスミマセン。
でもいい歌なのでYOUTUBEリンク貼っとこうかな。歌詞付です。

以下の「こいばな」とは直接関係ありませんが・・・。






なお、このお話は97%くらい?ノンフィクションです。短編小説風に書きましたが現実にあったお話です。

ただし実在の地名・氏名・固有名詞については伏せてあります。

勝手に推測しても構いませんが、詮索はしないでください。

この物語の主人公でもある「恭太くん」のお父様からブログ掲載の許可を頂いたものであります。
ちなみに「恭太くんのパパ」と私「禁煙競馬オヤジ」は同じ会社で勤務していて、馬友でもある関係なのでした。


では「小さな恋の歌」の始まり始まりー・・・・。





岩手のとある街にスイミングスクールがある。「TKKスイミングスクール翠山」。

ここにコーチとして勤務している尾崎はTKK本社の命をうけ3~4年程前に転勤してきた。
TKKは日本全国にスクールを展開していて、優秀なコーチになると地方のスクールの強化のため、
数年に一度異動を強いられるのだ。

もちろん尾崎はコーチとしての実績も十分残しており、元オリンピック選手の中野愛からも慕われている程だ。
だから異動すること自体はコーチ業についた時から覚悟していることだった。

今はこのTKKスイミングスクール翠山で、ジュニアオリンピックカップ出場クラスの選手を何人か抱えて指導している。

尾崎にはこの春小5になる女の子がいる。名前は「祐実」。
もちろん祐実も尾崎の影響でここTKKスイミングスクール翠山に通っている。

祐実は尾崎の転勤にともなって家族みんなでこの町にやってきた。転入したのは翠山小学校。
スイミングスクールから程近い学校だ。

祐実が転入したクラスに「恭太」という男の子がいた。恭太もTKKスイミングスクール翠山で水泳を習っている。

恭太はシャイな子だったがとても誠実で明るく、周りからとても好かれる子だった。


***


今から2年程前、祐実は学校の絵画の授業で「花と友達」の絵を書くことになった。

祐実はこのとき、恭太のことを絵に書きたいと思った。
恭太の笑った顔は最高にまぶしくて、なぜかいつも忘れられないのだ。
きっと恭太がモデルならみんなが幸せに感じるはず・・・
そんな思いを込めて彼と紫陽花の花を書いたのだった。

数時間の授業で友達の絵は仕上がった。
恭太の満面の笑顔が画用紙からはみ出そうだ!

先生も非常に良い出来だと褒めてくれた。見ている方まで幸せになる感じがすると!
祐実は心から嬉しくなった。

恭太本人は恥ずかしがって、なかなか直接話をしてくれなくなってしまったけれど・・・・(笑)


***


それから数ヶ月たったある日、祐実は担任の先生に校長室に来るように言われた。
祐実は、怒られることなんて何もしてないのにな・・・と思いながら校長室に向かったのだった。

校長室に入ると、校長先生と担任の先生が待っていて、大きな声で満面の笑みでこう教えてくれた。

「祐実さん。あなたの書いた「花と友達」の絵が県の芸術祭賞最優秀賞に選ばれましたよ!!おめでとう!!!」

祐実は最高に嬉しかった。岩手県で最高の賞だ。ナンバーワンなのだ。

そしてすぐさまこの嬉しさを恭太にも伝えることにした。
恭太はとてもよろこんでくれた。
「ホント?おめでとう!でもちょと恥ずかしいな・・・」とはにかみながらもあの絵と同じ素敵な笑みを返してくれた。

祐実はとっても幸せな気分だった。


***


いつものように祐実は学校からスイミングの練習に向い、練習をこなし、家に帰って遅い夕食をとる。
スイミングコーチである尾崎の帰りがいつも遅いので、尾崎家の夕食はいつも遅めの時間だったのだ。

祐実は夕食のとき、芸術祭賞を受賞した絵のことを尾崎に伝えると、尾崎も本当に自分のことのように喜んでくれた。
もちろん自分の勤務するスイミングに通っている恭太のことも覚えていた。

(そうか、あの男の子がモデルなのか・・・。祐実はあの子のことがお気に入りなんだな・・・)


***


11月。最高賞である芸術祭賞をはじめ入選作品が県民会館で展示された。

恭太はパパやママやお姉ちゃんとともに県民会館に「祐実がかいたボクの絵」を見に行った。

まさにあふれんばかりの笑顔の男の子のまわりに色とりどりの紫陽花。

絵の中の笑っている男の子の名札には「恭太」と書いてある。僕の名前だ。
恭太自身はこの絵は絵画の授業中に何度も見たのだが、数カ月ぶりにあらためて見てみると名札に自分の名前が書いてあって
ちょっと恥ずかしい気持ちがした。


見ているうちに恭太はだんだん、胸が熱くなり、涙が出そうになっていた。
うれしいんだけどなんだろうこの気持ち・・・。


恭太のパパやママは微笑みながらその恭太の様子をみて、この絵の「作家」と「モデル」のことを想っていた。



「おまえの絵は賞をもらえないけど、モデルで登場したなぁ。よかったな」

「うん・・・」(#^.^#)



***


2013年3月。

TKKスイミングスクール翠山で定期人事異動が発表された。
尾崎は薄々感じていたが、やはり自分に白羽の矢がたった。

「TKKスイミングスクール南東北」への転勤が確定したのだった。

「翠山」から「南東北」は400キロくらい離れている。
もともと尾崎は岩手に実家があるわけでもないので、子供たちには悪いが単身赴任をするつもりもない。
今回もまた家族みんなで南東北に引っ越すことになったのだった。


***


終業式も間近な3月上旬。

ある日たまたま恭太のパパが恭太に向かって聞いた。

「そろそろ学校の先生とかも異動が発表になる時期だけど、おまえの学校で転校する子とかいないの??」

「祐実・・・・」

「え?あの絵を書いてくれた子・・・・?尾崎コーチの娘さんの・・・・・?」

「・・・・・う、うん (T_T)」

「・・・・大丈夫。これからもずっと友達でいられるって!」

「・・・う、うん (ノ_・,)」

「じゃ、今度の休みに何か祐実ちゃんに岩手らしいプレゼントを探してこようか!」

「うん・・・・(#^.^#)(´;ω;`)」


***


尾崎一家は4月1日にあわせ「TKKスイミングスクール南東北」のある南東北市へと引っ越していきました。

祐実の新しい家の机の上には恭太からもらったプレゼントが飾ってありました。
南部鉄器で作られた可愛いうさぎのキャンドルスタンドが・・・。

http://www.iwachu.co.jp/iroiro/candle/candle.htm



夜、部屋を暗くしてキャンドルに火をつけるとうさぎが浮かびあがります。
素敵な想い出がゆらゆらと思い出されます。
恭太のあの笑顔とともに・・・。

TKKスイミングスクール翠山・・・・。
翠山小学校・・・・。
紫陽花と恭太の絵・・・・。
恭太・・・・。


***


芸術祭賞受賞から2年。祐実と尾崎コーチは南東北市に行ってしまいました。

けれど今もなお紫陽花と恭太の絵は翠山小学校の入口に飾ってあり、満面の笑みが子供たちにいつも元気を与えているのでした・・・・。




FIN





※1
岩鋳さん、スミマセン、無断転載不可と書いてありましたが無断転載してしまいました。
小さな素敵な恋の歌に免じてお許しください。m(_ _)m

※2
「恭太くんのパパ」の義理の妹夫婦が、実は「南東北市」に住んでいらっしゃるので、もしかすると恭太くんって、これからも祐実ちゃんと会うことができるかもしれません(#^.^#)



1 件のコメント:

  1. 謎の「恭太・父」です。
    キレイなコイバナに仕上げてもらってありがとうございます。
    かなり禁煙競馬オヤジさんの脚色が入ってますね。(^o^)
    どこまでが事実で、どこからが脚色かは読む方の想像におまかせしますね。

    恭太が大きくなったらこのブログを見せて、「そんな事もあったね」と語り合えればいいかなと思っています。

    コイバナの続編があったら、小説家・禁煙競馬オヤジさんにネタ提供しますね。(^^)v

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